「美容クリニック看護師ってきついの?」
「病棟より楽そうだけど、実際はどうなんだろう?」
「美容看護師に転職して、辞めたいと思うことはある?」
美容クリニックへの転職を考えている方の中には、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
美容クリニックは夜勤がなく、きれいな院内で美容に関わりながら働けることから、「病棟より楽そう」「楽しそう」というイメージを持たれることもあります。
しかし、実際に働いてみると、病棟とは違う種類の大変さがあります。
私自身も病院から美容クリニックへ転職し、これまでに何度か「辞めたい」と思ったことがありました。
新人時代に同期より習得が遅れて落ち込んだとき。
ミスをして周囲に申し訳なさを感じたとき。
仕事に慣れてマンネリを感じたとき。
そして、ライフスタイルが変わり、仕事と家庭のバランスについて考えるようになったとき。
それでも現在まで美容看護師を続けているのは、大変さ以上に自分にとって続けたいと思える理由があるからです。
この記事では、実際に美容クリニックで働いてきた私の経験をもとに、
- 美容クリニック看護師がきついと感じること
- 私自身が辞めたいと思った瞬間
- 病棟とは違う種類の大変さ
- 美容看護師を辞める人について感じること
- それでも私が美容看護師を続けている理由
- 転職前に知っておいてほしいこと
についてお伝えします。
※仕事内容や勤務体制、教育制度、売上に対する考え方などはクリニックによって異なります。この記事では、私自身が勤務する中で経験したことや感じたことを中心に紹介しています。
美容クリニック看護師はきつい?実際に働いて感じること
結論からいうと、美容クリニック看護師は「楽な仕事」ではありません。
ただ、私は「病棟より美容クリニックの方が大変」「美容クリニックより病棟の方が大変」と単純に比較できるものでもないと感じています。
病棟には病棟の大変さがあり、美容クリニックには美容クリニックならではの大変さがあります。
美容クリニックでは、患者様一人ひとりの予約時間が決められていることが多く、限られた時間の中で安全に施術を行いながら、接遇にも配慮する必要があります。
さらに、新しい施術や薬剤について勉強したり、患者様からの質問に対応したり、場合によっては商品や別の施術を提案したりすることもあります。
「夜勤がないから楽そう」「美容が好きだから楽しそう」というイメージだけで転職すると、入職後にギャップを感じることがあるかもしれません。
私が美容クリニック看護師を「辞めたい」と思った瞬間
長く働いていると、「辞めたい」と思う理由もその時々で変わってきました。
同期より遅れていると感じたとき
新人時代に特につらかったのが、同期と自分を比べてしまうことでした。
同じ時期に入職した同期が次の施術へ進んでいる中、自分だけ同じところでつまずいていると、
「自分だけできていない」
「美容看護師に向いていないのかもしれない」
と感じてしまうことがあります。
私自身、最初に習得した脱毛でつまずき、入職して2週間ほどで「辞めようかな」と思ったことがあります。
研修については別の記事で詳しく紹介しています。
▶ 美容クリニック看護師の研修は大変?未経験で入職した現役看護師が内容・期間を解説
https://www.nekoinublog.com/beauty-clinic-nurse-training/
ミスをしたり、習得に時間がかかったりしたとき
新人の頃は、ミスをしたときや同じことを何度も指摘されたときにも落ち込みました。
「また迷惑をかけてしまった」
「何度教えてもらってもできなくて申し訳ない」
という気持ちになり、恥ずかしさや申し訳なさから辞めたくなることもありました。
ただ、最初からすべての施術を完璧にできる人はいません。
振り返ってみると、失敗した経験があるからこそ、その後は同じミスをしないよう注意するようになったこともたくさんあります。
仕事に慣れてマンネリを感じたとき
入職したばかりの頃は、覚えることが次々に出てきます。
しかし、ある程度の施術を習得すると、今度は毎日の業務に慣れ、マンネリを感じることもありました。
美容クリニックでは、できる施術が増えていくと、その先にチェッカーや役職などを目指す道もあります。
一方で、責任が大きくなることにプレッシャーを感じ、
「この先どうしたいんだろう」
と考えることもありました。
新人時代とは違い、仕事ができるようになってからも、キャリアについて悩むことはあります。
育休復帰後、家族との時間が少なく感じたとき
ライフスタイルが変わったことも、仕事について考えるきっかけになりました。
美容クリニックは夜勤がないことがメリットですが、土日祝や大型連休など、一般的に多くの人が休みになる時期が忙しくなるクリニックもあります。
育休から復帰した後は、家族が休みの日に自分が仕事ということも多く、家族と一緒に過ごせる休日が少ないと感じるようになりました。
独身の頃にはそれほど気にならなかった勤務条件でも、結婚や出産などライフステージが変わることで、感じ方が変わることもあります。
美容クリニック看護師がきついと感じる5つのこと
① 予約時間を意識しながら施術する必要がある
美容クリニックでは、患者様ごとに予約時間や施術時間が決められていることが多いため、時間管理がとても重要です。
ただし、単純に「施術を時間内に終わらせればいい」というわけではありません。
施術前の問診で確認すると、
- 前回受けた施術から必要な期間があいていない
- 肌トラブルが起きている
- 日焼けや乾燥など、当日の肌状態に注意が必要
- 事前に確認していなかった治療歴や内服薬がある
といったことが分かり、その場でマニュアルを確認したり、医師に診察をお願いしたりすることがあります。
ほかにも、患者様が予約時間に遅れて来院されたり、使用予定の機械に不具合が起きたりするなど、自分だけではコントロールできない理由で施術開始が遅れることもあります。
そのため、施術そのものは予定どおりの時間で終えられたとしても、情報収集や確認、医師の診察などに時間がかかり、次の予約時間が迫ってしまうことがあります。
美容クリニックでは、そのような状況でも安全性を優先しながら、
「このまま自分で対応できるのか」
「医師への確認が必要なのか」
「次の患者様への影響が出そうか」
「ほかのスタッフに応援をお願いした方がよいのか」
などを考え、臨機応変に対応する必要があります。
予定より時間がかかりそうな場合は、早めにリーダーや周囲のスタッフへ報告・相談することも大切です。
自分の対応が遅れると、次の患者様だけでなく、ほかのスタッフや使用する機械の予定にも影響することがあるからです。
患者様への丁寧な対応と安全性を保ちながら時間も意識し、予定外のことが起きたときには周囲と連携して対応する。
この時間管理・臨機応変な対応・報告連絡相談を同時に求められることは、美容クリニックで働き始めた頃に大変だと感じやすい部分の一つだと思います。
また、人員が少ない中で通常業務と並行して新しい施術の習得を進めることもあり、思うように勉強時間を確保できないこともあります。
忙しい状況が続くと、スタッフ自身にも気持ちの余裕がなくなり、現場がピリピリしてしまうこともあります。
② 新しい施術や薬剤の勉強が続く
美容医療は、新しい施術や薬剤などが次々と導入されます。
私が働いている中でも、毎月のように新しいことを学ぶ時期があります。
新しい施術が導入されれば、
「何をターゲットにした治療なのか」
「どのような患者様に適しているのか」
「どのようなリスクや注意点があるのか」
などを勉強し、必要に応じて施術方法も習得します。
最近では持ち帰りの仕事を減らす工夫もされていますが、勤務時間中も患者様対応があるため、限られた時間の中で知識を身につけなければならない大変さがあります。
一方で、美容が好きな人にとっては、新しい美容医療について学べることを楽しめる部分でもあります。
③ 安全だけでなく売上への貢献を期待されることもある
病院から美容クリニックへ転職したときに、違いを感じやすい部分の一つが「売上」です。
私が勤務する中では、看護師は売上よりも、患者様へ安全に施術を行うことが最優先です。
一方で、美容クリニックは自由診療を中心とするため、患者様の悩みに合った別の施術を案内したり、ホームケア商品を提案したりすることで、売上への貢献を期待される場面もあります。
人に何かをおすすめすることが苦手な方にとっては、負担に感じることがあるかもしれません。
私自身も、最初は商品の紹介を「セールスだと思われないかな」と積極的にできないことがありました。
しかし、患者様との信頼関係を築き、その方の肌をもっときれいにするために必要だと思うものを患者様目線で提案することも、美容看護師の仕事の一つだと感じるようになりました。
※売上目標や商品の提案方法などはクリニックによって異なります。
④ 患者様からクレームを受けることがある
美容クリニックでは、患者様の希望どおりに施術できないことがあります。
例えばレーザー治療では、夏場の日焼けや冬場の乾燥など、肌状態によっては安全のために当日の照射を避ける場合があります。
しかし患者様の中には、
「大丈夫だから当ててほしい」
「前回はもっと日焼けしていてもできた」
など、施術を希望される方もいます。
安全上の理由を説明しても納得していただけず、強い口調で言われたり、場合によっては暴言を受けたりすることもあります。
患者様はその日のために予定を空けて来院されています。
施術できないことに不満を感じる気持ちは理解できますが、看護師としては安全性を優先しなければなりません。
患者様の希望に応えたい気持ちと、安全に施術する責任の間で難しさを感じる場面です。
⑤ 忙しい日は体力的にもきつい
美容クリニックは、座ってゆっくり働ける仕事ではありません。
休憩時間以外は患者様対応に入っていることも多く、施術によっては重い機械を扱ったり、立った状態で長時間施術したりすることもあります。
特に人員が少ない日は、体力的にきついと感じることがあります。
また、その日の予約状況によって休憩に入る時間が変わることもあります。
クリニックの診療開始が10時でも、忙しい日には11時頃に早めの休憩に入ることもあれば、反対に17時以降になる場合もあります。
休憩時間以外は患者様対応が続き、ゆっくりできる時間がほとんどない日もあります。
もちろん、病棟看護師にも体力的な大変さがあります。
そのため「美容クリニックの方が体力的に大変」ということではなく、美容クリニックにも想像以上に体力を使う日があるということは知っておいてもよいと思います。
病棟とは違う種類の大変さがある
私は病院と美容クリニックの両方で働きましたが、大変さの種類が違うと感じています。
病院勤務では、複数の業務を抱えながら優先順位を考え、時間内に仕事を終わらせる大変さがありました。
一方、美容クリニックでは患者様ごとに予約時間が決まっています。
自分の施術が遅れると、次の患者様の予約にも影響します。
そのため、時間内に終わらない可能性があれば早めに周囲へ伝え、他のスタッフに患者様対応をお願いしたり、使用する機械の予定を調整したりする必要があります。
また、病院ではあまり意識することのなかった売上や商品の提案なども、美容クリニックでは関わることがあります。
クレームの内容にも違いを感じます。
美容クリニックでは「予定していた施術ができない」「希望していた結果にならない」など、患者様の期待とのズレから不満につながることがあります。
さらに、比較的年齢の近いスタッフが多い職場では、親しみやすさがある一方で、距離感が近すぎると感じたり、すでにできている人間関係の中へ溶け込みづらいと感じたりすることもあります。
医師やスタッフとの相性もありますし、定休日が決まっているクリニックでは、同じメンバーと勤務する機会が多くなる場合もあります。
どちらが楽かというより、
「病院とは違う種類の大変さがある」
と考えておいた方が、転職後のギャップは少ないと思います。
「向いていない」と辞める美容看護師もいる
私の周りでも、新人スタッフが「向いていなかった」と話して退職することはありました。
ただし、実際の退職理由は本人にしか分からないため、「美容看護師は○○が理由で辞める人が多い」と一概には言えません。
私自身も新人時代には「向いていないのかもしれない」と悩みました。
しかし、最初は苦手だったことでも経験を重ねることでできるようになったり、自分が得意な分野が見つかったりすることもあります。
「向いている・向いていない」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶ 美容クリニック看護師に向いている人・向いていない人とは?現役看護師がリアルな特徴を解説
それでも私が美容クリニック看護師を続けている3つの理由
ここまで大変なことを書いてきましたが、それでも私は美容クリニックで働き続けています。
理由は大きく3つあります。
① 給料
私の場合、病院から美容クリニックへ転職したことで給与が上がりました。
仕事を続けるうえで、給与は大切な条件の一つです。
もちろん給与だけですべてを決めるわけではありませんが、大変なことがあっても「もう少し頑張ろう」と思えるモチベーションの一つになっています。
給与については、実際の給与明細をもとに別の記事で詳しく比較しています。
▶ 美容クリニック看護師の給料・手取りはいくら?大学病院との給与比較【現役看護師が公開】
② 夜勤がない
美容クリニックへ転職して大きく変わったことの一つが、夜勤がなくなったことです。
病院勤務時代は夜勤がありましたが、美容クリニックへ転職してからは夜勤のない生活になりました。
生活リズムを整えやすくなったことは、私にとって大きなメリットでした。
③ 仕事内容に興味を持てる
美容医療そのものに興味を持てることも、続けられている理由です。
新しい施術や肌について勉強する必要はありますが、自分自身も興味のある分野なので、学ぶことが苦にならないと感じています。
患者様の悩みが改善し、笑顔になって帰られる姿を見ることも、美容看護師ならではのやりがいです。
▶ 美容クリニック看護師のやりがいとは?現役看護師が感じる魅力を紹介
「美容看護師=楽そう」で転職するとギャップを感じるかもしれない
美容クリニックは、華やかなイメージを持たれやすい職場です。
夜勤がなく、美容について学びながら働けることも魅力です。
一方で、
- 時間を意識しながら施術する
- 新しい知識を学び続ける
- 患者様からクレームを受けることがある
- 売上への貢献を期待される場合がある
- 忙しい日は体力的にも大変
- 人間関係に悩むこともある
など、実際に働いて初めて分かる大変さもあります。
そのため、
「病棟より楽そうだから」
「美容って楽しそうだから」
という理由だけで転職すると、想像とのギャップが大きくなる可能性があります。
一方で、こうした大変さを事前に知ったうえで、
「美容医療に興味がある」
「夜勤のない働き方をしたい」
「患者様がきれいになるサポートをしたい」
と思える方にとっては、やりがいを感じられる仕事だと思います。
美容クリニックへの転職を検討している方は、良い面だけでなく大変な部分も知ったうえで、自分に合っているか考えてみてください。
美容クリニック看護師の「きつい・辞めたい」に関するよくある質問
美容クリニック看護師は病棟より楽ですか?
一概にどちらが楽とはいえないと思います。
病棟には複数の患者様への対応や夜勤、急変対応などの大変さがあります。
一方、美容クリニックでは予約時間を意識した施術、接遇、新しい施術の勉強、クレーム対応など、病棟とは違った大変さがあります。
「病棟より楽かどうか」ではなく、自分にどちらの働き方が合っているかで考える方がよいと思います。
美容看護師は勉強が大変ですか?
新しい施術や薬剤などが導入されるため、働きながら知識をアップデートする必要があります。
美容に興味がある人にとっては楽しめる部分でもありますが、「一度覚えたら同じ仕事をずっと続けたい」という方は大変に感じる可能性があります。
美容看護師にノルマはありますか?
売上目標や評価制度などはクリニックによって異なるため、一概にはいえません。
私が勤務する中では、看護師は患者様へ安全に施術を行うことが最優先ですが、患者様に合った施術や商品を提案するなど、売上への貢献を期待される場面もあります。
転職する際に気になる場合は、応募先の評価制度や仕事内容を確認しておくと安心です。
美容看護師を辞めたいと思ったら、向いていないということですか?
私はそうは思いません。
私自身も新人時代から現在まで、仕事について悩んだことは何度もあります。
仕事を辞めたいと思う理由は、その時の仕事内容だけでなく、人間関係やキャリア、ライフステージなどによっても変わります。
「辞めたいと思った=向いていない」とすぐに決めるのではなく、まず何がつらいのかを整理してみることが大切だと思います。
まとめ|美容看護師には病棟とは違う大変さがある
美容クリニック看護師は、決して「楽な仕事」ではありません。
私自身も、
- 同期より遅れて落ち込んだとき
- ミスをして申し訳なさを感じたとき
- 仕事がマンネリ化したとき
- 責任が増えることにプレッシャーを感じたとき
- 家族との時間が少ないと感じたとき
など、何度か辞めたいと思ったことがあります。
また、時間管理や新しい施術の勉強、クレーム対応、売上への貢献、人間関係など、病棟とは違う種類の大変さもあります。
それでも私が美容看護師を続けているのは、給与や夜勤のない働き方、そして美容医療に関わる仕事内容に魅力を感じているからです。
美容クリニックへの転職を考えるときは、「楽しそう」「病棟より楽そう」というイメージだけで決めるのではなく、大変な部分も知っておくことが大切だと思います。
そのうえで自分が何を大切にして働きたいのかを考えると、美容クリニックへ転職するかどうかの判断もしやすくなるのではないでしょうか。
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